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バッハのお隣りさん
グノーのアヴェ・マリアを始めて知ったのはいつ頃だったのか、もう記憶に無いくらい古くなっている。
バッハの「平均律クラヴィア曲集」第1巻、第1番の前奏曲を伴奏パートにして歌詞を乗せたのがグノーの「アヴェ・マリア」だと分ったのは、ずっと後になってからである。
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2008/09/22 12:14 |
シベリウスで消夏
真夏になると、私の頭の中の「歳時記」が頁を繰り、シベリウスへと自然に導いて行くのである。
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2008/08/05 22:53 |
思いつくままに
ときどき江戸時代の漢詩人の詩を読むことがあリますが、その中の一人で梁川紅蘭という女性詩人が「琴を買う歌」という詩を作っています。
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2008/06/20 23:31 |
走る悲しみ
アムステルダムにある「アンネ・フランクの部屋」には彼女が大好きだった、映画「オーケストラの少女」で有名なディアナ・ダービンとか、グレタ・ガルボ、ソニア・へニー、といった人たちのポートレートなどの外、風景写真、ギリシャ彫刻などの絵葉書が貼ってあり、それがたとえ一刻であれ、あの恐ろしいゲシュタボの影に慄くアンネや家族たちの2年間の重苦しい閉塞状態の生活を僅かながらでも慰めていたと思うと、あの時代の残酷さに身の置き所さえ無くしてしまいそうな戦慄と悲しみを覚えます。
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2008/05/29 16:26 |
モーツアルト異聞
「ショスタコーヴィチの証言」この書物は,ローレル・E・フェイのように「偽書」であると断定(The Russian Review 1980)する人もいますが、ショスタコーヴィチがS・ヴォルコフに語ったと言うことの大部分は真実であると言う説もまた一方にありますので、このあたりを弁えて読む限り、興味ある話が一杯詰まっています。フィクションに近いような話が真実であるかのごとく書かれていることもあるかも知れません。秘密と隠蔽のヴェールに包まれていた当時のソ連時代の記録でもあり、編者のS・ヴォルコフ...
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2008/05/15 00:10 |
はなみずき
4月22日晴
図書館に行く道すがら、真っ白なはなみずきが咲き誇っている一画があって目を楽しませてくれる。
その純白な花群を透かして奥のほうに、淡い紅色の花をつけたのも見える。不意に白い鳥が飛んで来て花を揺らせた。瞬間、私の中の時間が止まり、鳥の羽ばたきがあたかも天使の化身となって一つの絵を現出させた。花樹と花樹の空間がアーチ状になっていて、瞼の奥にフラ・アンジェリコの「受胎告知」が見えた。
かってその有名な絵を私はフィレンチェのサン・マルコ修道院で見ている。その名前から「天使の...
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2008/04/30 22:23 |
器楽的幻覚
20代の頃、繰り返し読んだ梶井基次郎の文庫本は、今では表紙も無くなって自分の手で補修したのが残っています。既に半世紀の年月を過ぎていますのですっかり古くなり、本文用紙も写真をご覧ようにページを繰るとぽろっと剥げ落ちそうに脆くなっています。でもこの本を今も大切にしているのは發表当時のままの旧かな遣いであることです。
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2008/04/17 21:52 |
青いアネモネ (序章)
ホームに雪が舞い込んで黒いコートが見る間に白くなった。そろそろ次の電車が入ってくる
のだが、氷点下すれすれの際どい寒さに、まだ姿を見せぬ人を待つのは辛かった。
「次のには乗っているのかな」柳康之がぼそっと呟いた。
約束した時間はとうに三十分以上過ぎていた。
「はっきり行くと言ってたから来るよ」とは答えたものの幸野治雄も二人が約束の時間に現れないので今は少し自信を失いかけていた。駅までのバスが遅れているかも知れない。
凍てつく寒さが足元から容赦なく這い上が...
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2008/03/26 12:11 |
詩人と音楽
ヘッセの「車輪の下」で知られる自伝的小説が<で>の助詞つきで、光文社文庫から松永美穂さんの新訳で出ました。同じ本を既に読んでいるのにと思いながら、シュリンクの「朗読者」のときの松永さんの訳文に好印象を受けていたので、文庫でワンコインほどの値段につられてまた求めてしまいました。
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2008/03/06 00:30 |
結晶する音楽
十年一昔と言いますが、それよりも×5くらい古い1948年にアメリカでLPが誕生した以降のことを少し調べてみました。当時ラジオでアナウンサーが必ず「LPとは long playing microgroove nonbreakable record の略で長時間録音レコードのことです」と説明を入れていたことを聞いた覚えがあります。SPと違って針音はしない、割れないと、正に画期的な発明でした。
45回転のEP(ドーナッツ盤)もありましたね。音楽好きには良き時代の到来でした。
それでもLPが...
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2008/02/28 22:47 |
ルネ王の暖炉
つい最近ですが、暁け方にストーリーのある不思議な夢を見ました。5,6人の音楽家が、フルート、オーボエ、ホルンなどを手にして、笑顔をこちらに向けて立っているのです。顔見知りのクラリネットのMさんが不意に目の前に現れ「少し音合せをしてから参りますので、先にあの森の中のステージでお待ち下さい」と言ったので、私は楢やくぬぎなどに覆われた疎林の間を歩いて行きました。
季節はなんとなく冬みたいで、木々の梢には葉が残り少なく、地面は紅葉の絨毯になっています。やがて柔らかなオーボエのチューニングの音に...
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2008/02/12 23:25 |
エトランゼ
永井荷風の「西洋音楽最近の事情」を読むと、彼がいかに多くの音楽を耳にしたか、いかに欧米の音楽について知識を得て、その紹介に先駆的な役割をはたすことが出来たのか、探ってみたくなります。荷風がフランスに渡ったのは、1907年(明治40年)今から丁度100年前になります。それ以前の4年間、アメリカでの生活がありますので、西洋音楽の素養はすでにそこで培われています。
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2008/02/04 22:02 |
日づけのない花
或る本のなかから萎れた薔薇の葉を一枚見つけた。
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2008/01/26 00:13 |
ぽるとがるぶみ
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2008/01/16 23:56 |
春に寄す
石ばしる 垂水の上の さ蕨の 萌え出づる春に なりにけるかも
志貴皇子(万葉集巻8−1418)
年があらたまると、まず思い浮かべるのがこの歌である。
口ずさむも良し。頭の中で唱えるも良し。大好きな歌である。
...
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2008/01/06 00:16 |
マジョルカのショパン
夜毎聴くショパンのピアノ孤独とはかかる激しき音の澄明
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2007/12/27 17:30 |
モーツアルトのこと(その2)
私が、イタリアへ行ったのは、1993年4月が最初です。ヴァチカンの聖ピエトロ大聖堂のシスティーナ礼拝堂で、それまで画集で見るぐらいでしか知らなかった、ミケランジェロが描いた旧約聖書「創世記」の9場面の壮大な天井壁画が、ついに、この眼の中に現実のものとなって入ってきたのですから、その瞬間の感動は、おそらく終生忘れ得ないだろうと思います。明かりは自然光のみ、当然薄暗い環境のもとでの鑑賞でカメラは禁止でした。観光客でごったがえっていました。
ただし、その時は正面祭壇画の「最後の審判」はNTVの協力に...
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2007/12/21 00:46 |
モーツアルトのこと(その1)
小林秀雄の「モーツアルト」が「創元」創刊号に掲載されたのは昭和21年12月です。
巻頭には、青山二郎(クーデンホーフ・光子とは親戚)のエッセー「梅原龍三郎」、他には歌人吉野秀雄の、(後日評論家山本健吉の絶賛によって、有名になった)「短歌100余唱」、中原中也の「未発表詩4篇」などがあって、大層充実した内容の濃い雑誌です。
この本を、我が家にもたらしたのは父でした。本来は画家「梅原」特集号だったので、ご当人は梅原のことを読むつもりで求めてきたのです。
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2007/12/17 13:43 |
ギッシング
大学に入って、初めての英語の時間、それは「原書購読」でいきなり、アーヴィングの「スケッチ・ブック」で始められた。読んだのは「リップ・ヴァン・ウィンクル」ついこの前までアバンゲールだったので、「英語」は敵国語であって私たちにとってせいぜい、(犬が走る)(早く起きなさい、学校に遅れますよ)程度で打ち切られていたので、大学とはなんとスゴイところかと、びっしりと英文の詰まった原書に目を回した。熊本から、上京したときの「三四郎」の驚きに似通っていたともいえる。つぎに読まされたのが、ギッシングの「蜘蛛の巣の...
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2007/12/13 22:50 |
リルケ・鴎外・ツヴァイク
海から さうさうと 太古の風が吹いている
夜ふけの つめたい潮風
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2007/12/09 23:53 |